益子町内に田町という地区があります。
この地区のごく一部の家庭では夏になると、出てくる定番メニュー、ビルマ汁。
ビルマ汁の歴史は、1945年の終戦の年まで遡ります。
当時、太平洋戦争で出征された「もおかや」の先代飯塚潤一さんが、戦地ビルマ(現ミャンマー)で食べたスープの味がとても美味かったと忘れられず、終戦帰国後、当時の日本で手に入る材料で当時のビルマで食べた味を再現したのが始まりです。
その味を近所の方々に伝え、長年、田町自治会では、夏の家庭料理として、食卓に並んでおりました。
赤々に熟したトマト、夏野菜の代表格ナスやインゲン、地元産のジャガイモやニンジンをぶつ切りにし、和風だしで煮込みます。トウガラシで辛味を出し、カレー粉で風味を付け、出汁のきいた熱々で辛味のあるスープは後を引く美味しさです。
汗だくになりながらすするビルマ汁は、知っている者にとっては、夏になると思いだす一杯です。